預かり賃

ぼる

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荷物を預かってくれたお隣さんに、百円払うのは、もう四回目だ。
「宅配便、預かっといたぞ。はい、百円」
大崎《おおさき》さんが、私の荷物を抱えたまま、反対の掌を出した。
「善意で預かってるんだ。手間賃は当然だろう」
「……ありがとうございます」
私は財布から百円玉を出した。
在宅勤務の私は、大崎さん宛の荷物も、ずっと預かっている。留守がちの彼は、月末にまとめて取りに来る。私は一度も、お金を取ったことがない。
部屋に戻って、スマホのメモを開く。
「大崎さんの荷物、十四個」
数字を一つ増やして、画面を閉じた。

月末の日曜、大崎さんが来た。
「うちの荷物、出してくれ」
「はい。十四個、全部あります」
玄関に積んだ段ボールを、一つずつ数えて渡した。
「ありがとな」
大崎さんが帰ろうとしたので、私は掌を出した。
「お預かり代、一個百円で、千四百円です」
「は?」
「善意で預かっても、手間賃は当然、でしたよね」
「十四個で千四百円。いただいた四百円を引いて、ちょうど千円です」

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