祖母は毎年、団子をひとつ余分に縁側の端へ置いた。「あの子の分」と言って。祖母のいない今年、私も同じように供える。
十三夜の団子は十三個。けれど祖母は毎年、余りの一個を皿の端に置き、翌朝それは空の濡れた皿になって消えていた。祖母が亡くなった今年、語り手は初めて自分で団子を供える。翌朝の縁側には、昨夜なかったものが並んでいた。約二百八十文字の、静かな怪談。