十四個目

ぼる

文字サイズ

十三夜の団子は十三個。なのに、うちの縁側には毎年十四個ある。
祖母は余った一個を、皿の端にぽつんと置く。
「あの子の分」
「あの子って、誰」
祖母は笑って、月を見るだけだった。
朝になると、その一個だけがなくなっている。皿は空で、なぜか濡れていた。
猫だろうと母は言った。猫が皿を洗うだろうか。

今年、祖母はいない。
私は団子を十三個積んで、端に一個、足した。
「あの子の分」
声が少し震えた。月だけが明るかった。
翌朝、縁側に出た。
端の皿は空で、濡れていた。
その隣に、祖母の湯呑みの柄の小皿が増えていて、団子が二個のっていた。
十四個供えたはずの縁側に、団子は十五個、並んでいた。

この話はいかがでしたか?

評価するにはログイン

まだコメントはありません。

この話を聴く

十四個目

ぼる

冒頭を試聴中
00:00 / 00:53
ナレーションミオf0
再生速度
再生位置をハイライトON
効果音ON
効果音の音量

ログインすると全編を無料で聴けます(β期間中)

ログインして聴く →