一週間で終わる香りの夜、隣のベランダから男の子が話しかけてくる。隣は半年前から空室のはずだった。
洗濯物を取り込んでいた私に、隣のベランダから男の子が声をかける。「香りが終わる前にまた話そう」と約束してから、隣が空室だと思い出す。毎晩ベランダに出ても、窓は暗いまま。香りが薄くなった最後の夜、隣の手すりには小さな花が置いてあった。約310文字の、少し怖くて優しい怪談。