誕生日は、もらう日のはずなのに。毎年届く小さな箱の底に、私は一度も読んでいないメモをしまってきた。
一人暮らしの娘は、毎年、自分の誕生日に母へ贈り物を送る。箱の底には必ず一枚のメモ。母は照れくさくて、読まずに引き出しへしまってきた。二十八歳の今年、電話で理由を尋ねた母に、娘は笑って答える。約280文字の、母と娘の短いショート。