そそっかしいんだから、と笑って見送っていた。大掃除で見つけた紙袋の中身が、毎年の「忘れ物」の意味を変える。
遠くに住む兄は、年に一度、冬にだけ妹の家に来て、必ずマフラーを忘れていく。「次来たとき取るわ」と言いながら。年末の大掃除で、妹は押し入れの奥から紙袋を見つける。約340文字の、誰かを思い出したくなる兄妹のショート。