亡き父の団地を片付けにきた澪は、冷凍庫で見覚えのない字のラベルを見つける。父が残したのは、不器用な料理と、たった一行だった。
父を亡くした澪は、団地の部屋を片付けるために二年ぶりに訪れる。冷凍庫には、父の角ばった字で「澪」と書かれた保存容器が並んでいた。二年前の電話の何気ない一言を、父はずっと覚えていたらしい。奥の容器の蓋に書かれた言葉の意味は、読んだ人にだけ分かる。約840文字の、静かに泣ける家族の掌編。