亡き祖父のスマホを開けようとして、僕はもう九回外した。パスコードの答えは、十歳の夏に祖父が言った、たった一言の中にあった。
亡くなった祖父のスマホは、あと一回間違えると中身が消えてしまう。孫の悠斗は、思いつく数字をすべて試して九回外した。ふと思い出したのは、十歳の夏に祖父へスマホを買った日のこと。そして、画面の中に残っていたものは……。約346文字の、泣ける家族の掌編。